急性アルコール中毒の原因&検査&治療について

♣急性アルコール中毒の原因

普通酒に強いと思っている人でも、短時間での多量摂取は、しばしば昏睡や死亡につながる恐れがあります。その半分の量やスピードでも、急性アルコール中毒は起こる可能性が高そうです。

摂取されたエタノールは、アルコール脱水素酵素などによってアセトアルデヒドに代謝され、さらにアセトアルデヒド変換酵素により酢酸になりますが、日本人には遺伝的にこのアセトアルデヒド変換酵素のはたらきが比較的に弱い、あるいはほとんどはたらかない人が大勢います。

たいていお酒に弱いことを自覚しており、通常飲むのをひかえていますが、そういった人たちに無理矢理一気飲みなどさせた場合、ごく少量のお酒であっても急性アルコール中毒は起こる可能性があり、最悪の場合死ぬこともあります。したがって、そのような行為は殺人といっても過言ではありません。

そのほか、小児がアルコールを少量飲んだ場合、あるいは幼児がエタノールを含んだ化粧水を飲んだ場合などにも、アルコール中毒が起こることがあります。

♣急性アルコール中毒の検査と診断

血中アルコール濃度の測定は有用ですが、小規模の病院ではすぐにはできないところも多くあります。その場合は、症状とその進行状況によって、中毒の有無と重症度を診断できます。

そこで決して見落としてはならないのがアルコール中毒そのものよりも、むしろアルコール以外の原因による意識障害です。飲酒後の運動失調やアルコールの麻酔作用によって、患者さんはよく転倒し、それを訴えないことがあると、頭部打撲や頭蓋内出血などが見逃されやすくなります。

そのほか、脱水、血圧低下などによって、脳梗塞が発症していたり、低血糖や、反対に糖尿病による高血糖、さらには肝機能の悪化によって意識障害が生じていることもあります。単純にアルコールによる意識障害と決めつけずに、これらの疾患を医師が見極めることが大切です。

♣急性アルコール中毒の治療方法

症状が軽い方は体温を保つように注意しながら観察することで、自然に回復できます。

重い症状で昏睡の場合には、気管内挿管を行い、必要に応じて人工呼吸を行います。鼻から胃に管を挿入して、大量の微温湯で胃を洗浄して胃のなかのアルコールを取り除き、同時に下剤を投与します。また、輸液によってアルコールの排泄を促進させますが、血液透析が必要になることもあります。

そのほか、症状・程度に応じて、脱水、低体温、低血圧、低血糖、呼吸抑制、代謝性アシドーシス、興奮・不安などの対処を行います。また、嘔吐による窒息にもご注意してください。